
今回の記事では、いわゆる第二次世界大戦後の「日本の経済成長」がどのようなものだったか、できる限りわかりやすい表現で“感覚的”に理解していただきたいと思います!
第二次世界大戦後、日本にはものすごい勢いの経済成長の時代が訪れたことをご存じの方は多いと思います。
そして、それがどのような経済成長だったのかについて書かれている記事などはたくさん存在しています。ただ、内容が難しくなかなか理解できない方も多いのではないかと思います。
今回は私TKが、日本の”高度経済成長”についてできるだけ簡単に、そして”感覚的”に理解していただけるように説明していきたいと思います。

経済成長の流れが”ざっくり”理解できるように解説できればと思います!
日本の”高度経済成長”について

この内容については、終戦後の日本の歴史を振り返る感覚で読んでいただければと思います。
第二次世界大戦後の高度経済成長
日本の”高度経済成長”がいつからいつまでなのか?という点についてはいろいろ説がありますが、第二次世界大戦終戦(1945年)後の1950年くらいから1970年くらいであるということが一般的に認識されています。
終戦後については一時的に経済は落ち込みましたが、その後の日本政府における「工業化を推進していく政策」により高い経済成長につながりました。

工業化を推進したから経済成長を達成した、というのは少しあたりまえな感じもしますね。。。
もちろん、そのいい政策だったからだけではなく、違う面でも経済成長につながるポイントがいくつかありました。
その中でも”高度経済成長”に大きく影響したのは、円とドルの相場が1ドル=360円の「固定相場制」になったことです。
この”固定相場制”については少しわかりやすく、イメージで解説したいと思います。
まず、「1ドル=360円」のときの貿易による利益を例を使って説明します。
①日本で30,000円で作られたある工業製品が、アメリカで100ドルで売れる
輸送費等の諸経費はここでは無視すれば、6,000円の利益になります。

その後、日本の工業化政策などにより、同じ製品がより効率的に安く作ることができるようになり、
②30,000円で作っていたものが、安価に(例えば26,000円で)作れるようになる
という状況になったとします。
製造するための費用下がったにも関わらず、その商品を購入するアメリカ側としては同じ価格で買い続けることになるので、その後も100ドル(1ドル=360円のまま)で買い続けます。
③100ドルで購入されると、日本には36,000円が入ってくるので利益(10,000円)が発生する
という状況になりました。


以前よりも、単純に日本の利益が増えたというのがここのポイントです。
このような状況が続き、様々な商品が“日本で安く製造”して“アメリカで同じ価格で販売し続ける”ことになり日本としてはどんどん利益が増大していく状況になりました。
このような状況になった根本的な理由は「固定相場制」というの点です。
ここまで説明してきた①~③の流れは「1ドル=360円」ということが確定しているからこそ、結果として日本として利益が増大していく状況につながりました。
これが“固定”ではなく相場が”変動”して、例えば「1ドル=300円」になっていると、③の時点でも利益は少なくなることになります。

“固定相場”という状況だったからこそ、“工業化の成長”が経済成長に拍車をかけたということなんですね。

でもこの流れは、日本に都合が良すぎるような気がしますよね。
何か理由があるはずですよね。
次に、終戦後なぜ日本が”固定相場制”になったのか、説明させていただきたいと思います。
固定相場制が始まった理由
ここまで説明した通り、戦後の高度経済成長は「固定相場制」であったことが大きく影響しています。ただ、日本に得しか無い(アメリカには利益が少ない)ように思える「固定相場制」という仕組み仕組みがなぜ導入できたのか?
という点について説明します。
この点については、いろいろな説や観点もあるようですが、個人的にポイントだと考えている2点をここでは説明したいと思います。

この観点は、個人的な見解が含まれていますので、ご理解いただければと思います。
【理由1】戦争で負けた国だから
ここまで、日本は「固定相場制」だったという話をしてきましたが、今の時代に「固定相場」を適用している国はあるのか、という点が気になるところだと思います。
私も分かっていなかったのでいろいろ調べてみましたが、どうもはっきりとわかりませんでした。。。しかし、調べても出てこなかったということは、今は「固定相場」を適用している国や通貨は無いのだろうと思います。
少なくとも、海外との輸出入が活発に行われており、情報通信技術の発展であらゆる情報が入手できる今の時代においては、「先進国」と呼ばれる国であったとしても「固定相場制」を適用している国はありえないと考えて間違いありません。
第二次世界大戦が終わった当時も、ある程度は同じ考え方であったことを考えると、
日本は戦争に負けたこともあり、世界的には弱小国と見られていた
ことが理由のひとつにあるのではないかと考えています。
日本には「今後、世界に対抗できる力を持つために成長していかないといけない」という思いがあったはずですし、そのためには当時の大国であるアメリカとの相場を固定することは、国の成長のために必要と考えたのではないか、と思います。
【理由2】アメリカが世界に威厳を見せつけたかった
固定相場制になることで高度経済成長を実現したというのは日本にとってはいい話ですが、アメリカ側の立場で考えると、損しているのではないかと思う方も多いと思います。
アメリカ国内でも日本と「固定相場制」にするべきなのか?という意見もたくさん出ていたのではないでしょうか。
しかしながら、結果としてこの「固定相場制」は結果的に20年以上続きました。
これは、
小国であった日本を短期間で大幅に成長させた、アメリカの力を世界に見せつけたかった
ことも理由の一つだったのだろう、というのが私の考えです。

当時から世界の中で巨大国であったアメリカとしては、日本を経済成長させるための支出なんて国の経済には大した影響がなかったのではないか、という言い方もできるかもしれませんね。
さいごに
約20年続いた円とドルの「固定相場制」は1973年2月で終了し、変動相場制へと移行しました。
そうなると、当然の流れとしてどんどん円高が進んでいきました。
変動相場制に移行した直後には“1ドル=260円”程度となり、その後も
・1985年~86年くらいに“1ドル=200円”
・1994年~95年くらいに“1ドル=100円”
とどんどん円高は進みます。
これを見ると「そんな急激に円高が進んだ日本の経済は大丈夫だったのか?」という疑問も浮かんでくるかもしれません。
しかし、そのころには日本自体がしっかり成長し、国際的にも競争力が付いていたため、
・生産拠点を適切に国外に移すことで、効率的な生産ができるようになった
・アメリカ以外の国との取引きも多くなったことで、高い収益を上げることができた
などの理由から、むしろ経済成長はさらに進むことになりました。
今回は日本の「高度経済成長」について解説しました。
その「高度経済成長」が終わってしまった理由なその時の経済状況などについてこちらの記事で紹介しているので合わせてお読みいただきたいと思います。
また、高度成長期終焉後からバブル崩壊までの経済状況についてもこちらの記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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