【うまい棒値上げ!】その理由と本質を解説!

「お金の話」解説
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うまい棒が値上げ(10円→12円)するという衝撃的なニュースが!

うまい棒が2022年4月から値上げされることが、2022年1月に公式サイトで発表されました。
多くのメディアも一斉にこのことを取り上げています。
「うまい棒=10円」という、”あたりまえのイメージ”が崩れてしまうことがそれほど衝撃的だったということですね。

1本あたり2円値上げしたとしても、うまい棒の売り上げが激減するとは思いませんし、むしろ「一本12円でも気にせずに購入する!」という方も多いと思います。
一方で、「10円っていう値段だったのが良かったのに・・・」という意見もあると思われ、きっと多くの人の様々な”思い”につながる値上げだと思います。

今回は、うまい棒を“値上げせざるを得なかった理由”やその本質的な部分について、FP目線での解説していきたいと思います。

値上げの背景

うまい棒が発売されたのは1980年です。
発売当時の値段はもちろん10円でした。

42年間10円だったうまい棒が12円になった、と聞くと単純に「最近値段上がってるものも多いし、そんなもんなのかな・・・」思ってしまうかもしれませんが、発売から現在までの42年前で日本の経済が大きな変動を繰り返してきたことを考えると、「単純に値上げされた」という一言で片づけられることはできないと考えています。。  

大きな経済変動の中、様々な企業の努力(きっとあると思ってます)を行い「10円」という値段を保ってきたにもかかわらず、今のタイミングで2円増せざるを得なかった大きな要因は”物価上昇”と考えて間違いないありません。

続いて、物価上昇がどのようにうまい棒の値上げに影響してきたのか、という点について解説したいと思います。

物価上昇の影響

まずは、「42年間でうまい棒が”実質”どれだけ値上げしたのか?」という点について解説していきたいと思います。
この点については、数字を使って少し細かく検証してみたいと思います。

“消費税”の影響

まずは「消費税」の影響についてです。

うまい棒が発売された42年前は消費税は導入されていませんでした。
現在の消費税が10%であることを考えると、購入者目線での出費としては、
・1980年は10円
・2022年は13.2円(12円×1.1)

となり、「42年で消費税の影響で3円程度値上がりした」と言うことができます。

うまい棒の値上げに関するネット上の声などを見ていると、
「よくここまで10円で頑張ってくれた」という肯定的なコメントも多いですよね。   

なぜ「よくここまで頑張った」と思う人が多いのかというと、1980年代との”物価価値の違い”が大きなぽポイントになります。

“物価価値”の変化

“物価価値”を図る指標の一つとして、消費者物価指数というものがあります。

「消費者物価指数」とは、日本国内の各世帯が買い物をする際の物価変動を時系列で現したものです。

今回のうまい棒の値上げについて、この指数と比較して検証しました。

調べてみると、年々の変動はありますがバブル期やその後の崩壊などなどを経て、1980年と現在とでは物価指数が約1.5倍くらいに上昇しているということがわかりました。

言い換えると、1980年に10円で売られていたものは、現在では15円(税込みでは16.5円)程度で売られていることが妥当な金額だということです。

まとめ

「うまい棒の値上げ」について、「消費税増税」「物価価値上昇」の観点で考察してみたところ分かったことは以下の通りです。

・”うまい棒”は今回の値上げにより、1980年と比べて一本あたり3円程度値上がりした
・世の中の”物価価値”の変化は、1980年と現在とでは10円→16.5円(消費税込)となっている

今回の検証では、「うまい棒は値上げをしたものの、発売開始当初からの物価価値の変化を考えると実質”値下げされている”ともいえる」という考え方ができることがわかりました。

もちろん、今回検証してきたこと以外のさまざまな要因もあると思うので、単純に”値下げした”という結論を導くことはできないと思います。
むしろ、発売開始後から長い時間をかけて変化した経済の状況が影響していて、むしろ「安くなったといっていい」という点について正しく理解いただければうれしいです。

 

話は変わりますが、今回の投稿で「10円」と書き続けて思い出しましたが、チロルチョコも私が子どものころには「10円お菓子」の代表の一つでした。
しかし、いつのまにか少し大きくなった変わりに20円に値上げ、みたいなこともあったと記憶しています。。
チロルチョコも同じような事情があったのかもしれませんが、そのあたりの話は、今後また機会があれば解説してみたいと思います。

今回の「うまい棒の値上げ」についての解説は、この辺で終了したいと思います。

TK
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最後までお読みいただきありがとうございました!

【2023年7月追記】値上げ後の業績

うまい棒を販売している「株式会社やおきん商事」の業績については、非上場であることから見えにくい点はあるものの、“業績悪化”などの悪い情報を聞くこともないので順調だということがうかがえます。

TK
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今も”うまい棒”はいろんなお店などでよく見かけます。

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